食中毒ケアのポイント

看護師として食中毒ケアに携わる際のポイントを紹介します。食中毒が悪化すると、血便や高熱、ショック症状、意識障害などの重大な症状が現れることもあるため、適切な処置が求められます。

食中毒ケアのポイント

問診と診療

食中毒ケアで重要なのは、患者が来院した際の問診です。「食歴」「発熱」「下痢」「嘔吐」の状況を詳細に聞かなければなりません。この他にも、同様の症状が出ている人が周囲にいないか、別の症状が出ていないか、渡航歴の有無なども併せて聞きます。問診後、バイタルサインをチェックした上で診療の優先順位を決めていきます。優先診療の可否を決定するためには、病因菌の症状と潜伏期間を把握しておく必要があります。緊急性が高い場合は即座に診療に移りましょう。感染型の食中毒が疑われる場合は他の患者と隔離し、使用するトイレを限定します。また、使用後のトイレに使用する消毒薬の準備も必要です。毒素型の食中毒が疑われる場合も、優先的に診療できるように準備してください。

検査と治療

便の検査をするため、感染防止対策が必要です。手指消毒を徹底し、手袋やマスクなどを着用します。食中毒の治療は基本的に対症療法が用いられるため、高熱や下痢、嘔吐などの症状がある場合は水分補給を行います。一気に飲まないように、様子を見ながらゆっくり飲むように誘導してください。嘔吐が続く場合は誤嚥を防ぐために体位を側臥位に保持しましょう。経口による水分補給が難しい場合は点滴治療に切り替えます。薬による治療は病原体が判明してから行われます。なお、下痢止めの成分が含まれる薬の使用は禁止されています。

患者へのケア

食中毒患者を観察する際は、急性の胃腸症状に注意しましょう。原因がボツリヌス菌の場合は呼吸筋の麻痺が起こる可能性があるので、必ず呼吸状態を観察してください。「胸が苦しい」「息がしづらい」などの症状を訴えるサインを見逃さないようにしましょう。
食中毒患者は下痢や嘔吐が続いたことにより心身が疲弊しています。保温や水分補給を徹底し、可能な限りリラックスできる状態を保ってください。診断が終了し、自宅療養の判断が出た場合には、生活環境や食事、水分補給に関する説明を行います。帰宅後に症状が悪化した場合は再度受診するよう促すことも忘れないでください。
問診時、周囲に同じような症状の人がいることを聞いたり、同じ症状の患者が複数来院した場合は集団食中毒の可能性があります。多くの患者が一度に来院する可能性があるため、診療にあたるチームへの情報共有を徹底してください。

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